皆さんは、花粉は春だけでなく、すべての季節においてそれぞれの植物で花粉シーズンがあることをご存じですか?
日本では、現在60種類以上の花粉アレルギーが報告されています。
さらに、人口の4割以上が花粉症に悩まされているといわれています。
スギをはじめとする、春に猛威を振るう花粉症との違いを明確にしながら、秋花粉で気を付けるべきこと、出来る対策などをみてみましょう。
春夏秋冬 それぞれどんな花粉があるの?
主な花粉症の原因となる代表的な花粉のそれぞれのシーズン例をカレンダー形式でご紹介いたします。(関西地方の飛散時期カレンダー)
※花粉の飛散時期は地域により異なります。ご自身のお住まいの地域のシーズンを一度調べてみてください。
▼ 代表的な秋花粉の原因となる植物
春に多くの人が悩まされるのがスギですよね。
なぜこんなにもスギ花粉は増えてしまっているのでしょうか?
原因は、人口の杉林が広大であること、そして地球温暖化といえるかもしれません。
広大な土地に杉林(人工林)が広がった理由は以下のように考えられています。
これだけ広範囲にわたっていれば、近年の被害の大きさにも納得ですよね。
現在は、これら人工林の伐採を進め、その後再び植える際には、花粉の少ない苗木などに植え替えるという取組が進められています。
そして、地球温暖化がスギ花粉症の被害拡大の要因であるかもしれないといわれているのには、スギの特性に理由があります。
スギ花粉を作る基となる雄花が育つのは前年の夏です。
気温が高く、日照時間も長い、加えて雨が少ないとなるとその発芽量はさらに増加します。
夏の気温が上がることで、生成される花粉量も増加しているということですので、地球温暖化も何らかの原因であるといえるのではいでしょうか。
秋花粉の特徴は? 春の花粉症との違い
春はスギが主な花粉症の原因ですが、秋花粉は、イネ科に加え、ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラといった草木が主な原因となります。
これらがスギと異なる点は、樹木ではなく草木の花粉であるということです。
樹木の花粉に比べ、草木の花粉はそれほど遠くに花粉を飛ばしません。
しかし、どれもありふれた植物であり、身近に存在するため、うっかり近づいて花粉を浴びてしまうのです。
また、症状は春の花粉と同じく、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ・充血・頭痛が主に挙げられますが、秋の花粉(イネ科やブタクサ)は、スギ花粉よりも粒子が小さいという違いがあります。
とても小さな花粉は、鼻の粘膜を通過し、奥の気管支にまで入り込んでしまうという特徴があります。 その結果、喘息のような咳が出ることがあるため要注意です。
さらに、ヨモギやブタクサなどの花粉症により、ある特定の野菜や果物を口にした時に、口腔アレルギー症候群(OAS)を引き起こす可能性もあります。(花粉のアレルゲンと野菜・果物のアレルゲンの構造が似ているため)
メロンやスイカなどのウリ科や、セロリやニンジンなどのセリ科など、症候群を引き起こす可能性のある原因食物は花粉症の種類によっても異なります。
可能性があるかもしれないという方は、その都度調べるなどして十分に注意しましょう⚠
対策出来ること
では、既に発症してしまっている人もまだの人も、重症化・発症してしまわないようにするためには、どのような対策をするべきなのでしょうか?
まずは、原因となる植物に近づかないことです。先程お話しした通り、秋の花粉症は飛散範囲が狭いことが特徴です。
そのため、近づかないというだけでも症状はかなり緩和されます。
そのほかにも、洗濯物を室内干しにする、部屋の掃除をこまめに行う、帰宅時に花粉を落としてから入室することも非常に有効です。
花粉症を発症したら?
花粉症を発症してしまい、症状が現れたときには、無理をせずに「抗ヒスタミン成分」などが含まれる薬を服用しましょう。
市販薬にも含まれる抗ヒスタミン成分には、第一世代・第二世代というものが存在し、第一世代の方が効果を期待できますが、その分眠気などの副作用も強く出てしまうといわれています。
服用しようとする状況をよく考えて、薬を選ぶようにしましょう。
また、症状が強く表れた場合には、迷わず医療機関を受診しましょう!
まとめ
今回は、秋花粉についてご紹介しました。
春花粉であるスギやヒノキに比べ花粉粒子が小さいということ、口腔アレルギー症候群を引き起こす可能性があることなど、知らなかった方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
これを機に、対策をしっかりと行い、秋の花粉を乗り切りましょう!
花粉症に際し、おすすめしたいマスクをご紹介いたします。
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